イヴェット・ミメオがアクセスが多いので / The Wonderful World of the Brothers Grimm(不思議な世界の物語)

 

↓シネラマだからこの画面が正解。

ハリウッドでネガを焼失したのでDVD化はない

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↓リー・ハーラインによる美しいサントラ


 前出記事


 

Loydさんの解説は

 

『不思議な世界の物語』の撮影について
Photography of "The Wonderful World of the Brothers Grimm"



3本のフィルムを並列映写するシネラマ最初の劇映画となった『不思議な世界の物語』の撮影監督ポール・C・ヴォーゲルは、まず第一に苦心したのが、他の大型スクリーン映画にはないシネラマ特有の欠点と言われている3本並列映写に画面の継ぎ目をいかに目立たないようにすることにあった。



"Cinerama Poster"

そこで、継ぎ目の部分に構造物の柱や樹木などの線が写るように、また影が来るように構図を設定したり、ライティングの際にその部分が影となるように配光をした。こうすることによって、継ぎ目を目立たないようにすることが出来たが、併し、これ以上に困難な問題がこの方式には生じた。たとえば、2人の俳優をスクリーン左右両端に配置して向かい合っている場面を真横からこの3本のレンズ付き特殊カメラで撮影したとすると、このカメラでは、3本のレンズが並行して全部真正面に向いてないので、左右2本のそれぞれのレンズに対して人物は2人とも斜め横向きになってしまう。

この結果、シネラマ・スクリーンに映し出された2人の俳優は、お互いに違う方向を見ていて向かい合っているようには見えないものになり、そこで、この2人は顔を合わせるのでなく、あえて画面の奥の方向へ向く姿勢をとらなくてはならなくなる。

3本シネラマの撮影では、このような特殊な状況を考えて、人物の位置や目線の方向を設定することが必要となり、そして、人物が各画面の継ぎ目を横断する場面では、正確に焦点が合ってないと、隣の画像へ入ると同時に人物像の一部が、前にいた画面の端に再び出現してしまい二重像となってしまう。


(焦点が被写体がより前に合っている場合)また、隣の画像へ入った瞬間、前の画面から部分的に人物が消えるようなことも起こる。(焦点が被写体より後に合っている場合)従って、精密なピント合わせが絶対に必要となってくるばかりか、人物の動きを正確に決めておかねばならない。人物が継ぎ目に所で立ち止って二等分されるようなことがあってはならないからである。

Russ Tamblyn Yvette Mimieux Gypsy Dance

■スペーサー

"Russ Tamblyn Yvette Mimieux Gypsy Dance"

「シネラマ」及び「スーパーシネラマ」の特殊カメラは、それぞれ焦点距離27mmの広角レンズ3本を装備しており、そのために画面の奥行きが非常に誇張された映像になる。そこで、室内セットは大きく見えないようにするため、通常の映画よりも狭く作られた。

広角レンズでは、背景の壁面が全部写ってしまうだけでなく、天井と床の大部分も写るため、セットの壁を極端に高いものにするか、もしくは通常の高さの壁に天井を全部付けるか、どちらかを選択しなくてはならない。そのような事から大分部のセットでは、天井を全部付ける方法で建設されたが、しかし、この場合、ライトをセット上方に設置出来ず、床に置くしかない。

それに加えて超広角の撮影となるため、カメラより後方にライトを設置する必要が生じてくるので被写体後方からの照明がまったく出来ない。そこで、フラット・ライティングを避けるために多くのライトを一方に集めて設置し、カメラ・ブリンプ(防音カバー)の上部に追加の押さえライトを付けることになった。

このような困難な状況下で、さらにヴォーゲルは天井の梁や家具、もしくは動かない俳優等の影にライトを隠したが、切り返しの場面のように撮影位置が変われば、当然ライトの位置も変えなくてはならない。そのため、通常の撮影と同様、移動の場面を先に撮影し、後でそれに合わせたライティングで関連した挿入カットを撮ることになった。
それと反対に「踊るお姫様」のエピソードでは、馬車や小道具、そして動かない俳優の影に慎重にライトを隠して先に固定の場面を撮影し、カメラがセット全体を回って主人公たちを追う場面になると、ライトが写ってしまうので、大セット上下にライトを移した。

ヴォーゲルは、シネラマ・カメラを使った仕事は面白いが、特に室内撮影で照明に限界があるので、撮影方法は他の70mm方式よりも非常に難しいと言っている。シネラマが開発されてから、長い年月の間、劇映画が作られなかったのは、以上のように様々な撮影時の難題が出たため特に技術的制限が多すぎるからであったと思われる。

Russ Tamblyn,Yvette Mimieux

■スペーサー

See large Image!
The Wonderful World of the Brothers Grimm (1962) "Press Book"


西ドイツでローケーションされた「踊るお姫様」の馬車の疾走シーンでは、木こりが馬車から飛び降りて坂を転がって行く場所があり、見た目の主観的な描写が出てくる。この場面は、特別に作った鉄製の大きな円形枠の中にバッテリーと共に取り付けられたカメラのスイッチを入れた後、これを無人の状態で斜面から転がり落として撮影したものである。

この後、木こりが馬車追いかけて狭い橋を渡る場面があるが、この橋は1866年に架けられた最古の鉄橋で、一度に4人乗ると危険であると言われていた。ところが、重い「スーパーシネラマ・カメラ」に加えて、何回も10人~12人のスタッフが一度に、この橋に乗ったために橋板が外れてしまい、スタッフは、これを奇禍(思いがけない災難に遭う)として木こりが谷間に落ちそうとなる場面を撮った。橋からロープでぶら下げられた大型カメラによって壮観なショットが撮影され、現実感溢れる名場面が出来上がった。

■スペーサー

The Wonderful World of the Brothers Grimm (1962)
"Soundtrack Suite" (Leigh Harline)

グリム兄弟が住んでいたカッセルは、第二次世界大戦で爆撃を受け、その後、復興されていたので昔の建物や道路はほとんど残っていなかった。そこで、伝説的な物語の大部分は、中世の面影を残すローテンブルグで撮影され、このローテンブルグでの丸石畳の道の移動撮影は、クレーンや移動車などを使う通常の手段では困難で、そこで移動撮影用の橋が考案され、事前にMGM撮影所にある丸石畳でテストが行われた。その結果が良好であったので、ロケ地となった西ドイツで同仕様の橋を製作し、これを撮影用に使用した。

この移動用橋は、録音時にノイズが入ってしまうためにモーターを使用することが出来なく、人力によって動かす以外に方法がなかった。併し、この橋を使った移動ショットは大成功し、振動も極めて少なく、上り下りもスムーズに移動撮影が可能となった。

人形アニメーションの撮影は「スーパーシネラマ」カメラの3本レンズのポジションをあらかじめ正確に設定しておいて、1台1本レンズ・カメラを移動させて、左、中央、右それぞれのポジションで、同一場面を1コマずつ撮影する方法で行われた。この後、人形を少し動かし、再び左から中央、右の順で撮影を行い、そして、この左、右、中央、右、左、中央、二義の画像が並ぶネガから3コマごとに抜き焼きして、それぞれのレンズの画像のフィルム3本を作成するもので、このような作業を行ったのは、コマ撮り用のカメラが2台しかなかったからと言われている。

本作品は、アメリカや日本では公開当時、正式な「スーパーシネラマ」の名称でなく、単に「シネラマ」の表記やロゴが宣伝されていた。


上記画像は、1997年、パイオニアLDCからリリースされた『不思議な世界の物語』のレーザー・ディスク、3面/135分で、帯には、名プロデューサー、パル(宇宙戦争)が描くファンタステックなグリム兄弟の世界。

35ミリ・フィルム3本を使うシネラマ劇映画第1作!と記載されている『不思議な世界の物語』は、「ババリアの森深くに展開する驚異と夢幻」「すばらしい冒険とスリル!さあ、おとぎの国へ!」というコピーで宣伝され、1964年3月6日から240日間、スーパーシネラマ劇場のテアトル東京(東京)とOS劇場(大阪)でロードショー公開された。

テアトル東京の興行成績は動員27万5221人、興行収入は1億1340万。一般公開は1965年8月21日から7日間、新宿スカラ座など8館で行われ、動員23433人、興行収入は641万だった。


「不思議な世界の物語」詳細解説ページ
(The Wonderful World of the Brothers Grimm Description)



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